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2024.02.12

機械加工

非破壊検査って何?

岡山に本社を置く機械加工・ロボットシステムインテグレータの会社 茶屋テクノロジー株式会社です。 製造現場、機械加工の現場で耳にする「非破壊検査」。 「破壊検査」というと、検査の対象物を実際に壊して検査するのが イメージできるかと思います。 では、「非破壊検査」とはどんなことをするのでしょうか? 今回は、機械加工の現場で実際にされている「非破壊検査」には どんなものがあるのか、初心者の方向けにまとめた記事になっております! 機械加工やものづくりに興味を持っていただけると幸いです。 ●非破壊検査とは?● 非破壊検査とは、“物を壊さずに”その内部のきずや表面のきず あるいは劣化の状況を調べ出す検査技術のことです。 (日本非破壊検査協会HP:http://www.jsndi.jp 参照) では、実際にはどんな検査があるのでしょうか? 今回は機械加工の現場でよく耳にする 「MT検査」「PT検査」「UT検査」の3つを紹介したいと思います。 ●MT検査(磁気探傷試験)● MTとはMagnetic Testの略で、対象物の表面にきずが無いか調べるための検査法です。 検査する対象物の表面に強い磁力を持った磁粉を散布すると きずがある部分に磁粉が吸着されて、磁粉模様が現れます。 POINT ・磁力を使うので、鉄やコバルト、ニッケル等の磁石に引き寄せられるものに適用します。 ・ステンレスやアルミニウム、銅などの磁石が使いないものは検査できません。 ●PT検査(浸透探傷試験)● PTとはPenetrant Testの略で、対象物の表面にきずが無いか調べるための検査法です。 検査する対象物の表面に浸透性の高い液体を塗ると きずがある部分に浸透液が吸着されて、きずがある箇所が検出されます。 POINT ・金属、非金属に関わらず検査することが出来ます。 ●UT検査(超音波探傷試験)● UTとはUltrasonic Testの略で、対象物の内部のきずの大きさや位置を 調べるための検査法です。 検査する対象物に超音波を伝播させ、超音波の反射の受信状態によって 対象物の内部の状態を検出します。 POINT ・金属、非金属に関わらず検査することが出来ます。 ・鋳造品などの粗粒材(粒が粗い素材)の検査には向いていません。 今回は、代表的な非破壊検査について、紹介させて頂きましたが いかがでしたでしょうか? これらの検査は、人間が肉眼で見ただけでは分からない 欠陥を発見することが出来るとても重要な検査です。  

2024.02.05

機械加工

熱処理って何?どんな種類があるの?

岡山に本社を置く機械加工・ロボットシステムインテグレータの会社 茶屋テクノロジー株式会社です。 今回は、金属の加工現場でよく耳にする「熱処理」とは何か 初心者の方向けに解説していこうと思います! ◆熱処理って何?何のためにするの? 熱処理とは、金属を一定以上の温度に熱して冷やすことで 素材の特性を変化させ、硬度(硬さ)やじん性(粘り) を持たせる処理のことを言います。 熱処理をすることで、硬度やじん性を持たせる以外にも耐疲労強度、耐衝撃性、耐食性 被削性などさまざまな性能を高めることができます。 熱処理は、よりよい製品を作るためには欠かせない技術です。 ◆熱処理にはどんな種類があるの? 熱処理の種類は主に「焼き入れ」「焼き戻し」「焼きなまし」「焼きならし」の4つです。 焼き入れ 熱処理の目的:素材を硬くする 熱処理記号:HQ 解説:金属を一定以上の温度に熱して、一定時間置いた後に 急激に冷やすことを焼き入れと言います。 英語ではHardening(意味:硬くする)やQuenching(意味:急冷する)と呼ばれており 熱処理記号はHQと記載されます。 焼き戻し 熱処理の目的:素材を強靭にする 熱処理記号:HT 解説:焼き入れをすることにより、金属は硬くなりますが そのままではもろいため、割れやすい状態になっています。 焼き戻しとは、焼き入れをした後に再加熱して硬さを調整しながら じん性や強靭性を高める作業のことを言います。 英語ではTempering(意味:焼き戻し)と呼ばれており 熱処理記号はHTと記載されます。 補足:基本的に焼き入れ焼き戻しはセットで行われます。 図面にHQ-HTと書いてあったら焼き入れ焼き戻しのことです。 焼きなまし(焼鈍:しょうどん) 熱処理の目的:軟らかくして加工しやすくする 熱処理記号:HA 解説:金属を加熱して軟らかくすることで曲がりや反りを防ぐために行う 熱処理方法のことを焼きなまし(焼鈍)といいます。 英語ではAnealing(意味:焼きなまし)と呼ばれており 熱処理記号はHAと記載されます。 焼きならし(焼準:しょうじゅん) 熱処理の目的:素材の組織を均一にする 熱処理記号:HNR 解説:金属の組織の構造が変化する温度より高めの温度で再加熱し 空冷(空気によって冷却)することで組織を均一化、微細化させることを 焼きならしと言います。 英語ではNormalizing(意味:標準化、焼きならし)と呼ばれており 熱処理記号はHNRと記載されます。 今回は基本的な熱処理ことについて、紹介させて頂きましたが いかがでしたでしょうか? 皆様が機械加工に興味を持つきっかけになってもらえると幸いです。  

2024.01.29

機械加工

機械加工で使う工具にはどんなものがある?

岡山に本社を置く機械加工・ロボットシステムインテグレータの会社 茶屋テクノロジー株式会社です。 皆さん、「工具」と聞いて何をイメージしますか? 身近なものですと、DIY等で使うドライバーやペンチを 思い浮かべる方が多いかもしれませんね。 今回は、機械加工で使う切削工具にはどんなものがあるのか まとめてみました! 機械加工やものづくりに興味を持っていただけると幸いです。 ■ドリル 用途:穴あけ加工に使われます。 ■フライス 用途:ワーク(材料)の平面や側面、溝などを削るのに使われます。 エンドミルと言われる工具の円周上に切れ刃がある工具もフライスの一種です。 ■タップ 用途:ねじ山を削るために使われます。 ■リーマ 用途:ドリルであけた穴の内径や表面粗さを仕上げるために使われます。 ■バイト 用途:旋削加工をするために使われます。 基本的な切削工具について、紹介させて頂きましたが いかがでしたでしょうか? 今回紹介させて頂いた工具は数ある工具の中の一部です。 切削工具は、機械加工には欠かせないものです。 加工する際は、ワークや形状などに合わせて最適なものを選ぶことが大切です。 皆様が機械加工に興味をもつきっかけになってもらえると幸いです。  

2023.10.09

機械加工

機械加工で注意すべきこととは

こんにちは! 岡山に本社を置く機械加工・ロボットシステムインテグレータの会社 茶屋テクノロジー株式会社です。 本日は、機械加工で注意すべきことについての記事です。 「機械加工で注意すべきこと」 機械加工とは、お客様が要求する図面通りに 工作機械を使って金属などの材料を加工することを言います。 機械加工をする為には 「図面」「材料」「プログラム」 3つがなければできません。 今回は、機械加工の基礎知識として「図面」「材料」「プログラム」 それぞれの注意すべきことについて説明したいと思います! 1.図面 機械加工の事前準備として まず図面を理解するところから始まります。 目の前に完成品や材料があれば図面と見比べて 完成した形をイメージしやすいですが 実際には初めて加工する製品であったり材料が 届いてすぐ加工を始めなければならなかったりします。 その場合は図面だけで頭の中で完成形をイメージして プログラミングや工具の準備をしなければなりません。 実際に加工し始めてから図面を読み解くとなれば、 無駄な工数の増加に繋がります。 工数削減のためにも、図面の読解力と理解力は欠かせません。 2.材料 加工する材料は、 溶接で作られた製缶物や鋳型で作られた鋳物 鉄板を切った物など様々です。 まず加工前に材料の形状が図面通りに作られているか 確認しなければなりません。 材質によって工具の選定や加工条件も変わってくるので 注意が必要です。 加工手順を決めて行く際には工作機械に材料を ・どの向きに置くか ・どこで固定するのか ・加工機と材料が干渉しないか などの問題も考えなければなりません。   材質によって歪み量 (切削加工することにより生じる伸び縮み、変形) も変わってくるのでそれを考慮して 加工を進めていく必要があります。

2023.09.25

機械加工

プログラミングってどんなことするの?

こんにちは! 岡山に本社を置く機械加工・ロボットシステムインテグレータの会社 茶屋テクノロジー株式会社です。 今日は、プログラミングとは何か?について簡単にご説明します。 機械やコンピューターを動かすためには、プログラミングという作業が必要になります。 プログラミングとは、コンピューターのプログラムを作成することを言い 「プログラミング言語」という専用の言語を使います。 通常、人間とコンピューターは意思疎通できません。 しかし、「プログラミング言語」というコンピューターが理解出来る言語を使い 人間がコンピューターに「こういう動作をしてください」という指令(プログラム) をすることで、様々なシステムを作ることが出来ます。 プログラミング言語の種類は約200種類以上もあり、主にウェブアプリや アンドロイドアプリが開発できる「Java」や、さまざまなアプリを開発できる 「C言語」などがあります。 身近なところでは、スマートフォンのアプリやゲーム、ホームページの作成などにも プログラミングが使われています。 では、製造現場でのプログラミングでは具体的にどんなことをしているのでしょう?   弊社の場合は、工作機械やロボットへ専用のプログラミング言語を用いて 指令を出しています。 どの様に指令を出すのか、例えで簡単に説明すると以下の様になります。 ①「この位置まで走って行って」という指令を出すには ↓ 「G00 X100 Y0」となります。 G00は「早送り」という意味で、XとYは座標を表しており、X100、Y0の位置まで 移動してくださいという指令を出しています。 ②「深さ100mまで穴を掘ってください。1分間に100mm進む速さで」 という指令を出すには ↓ 「G01 Z-100 F100」となります。 G01は「直線での切削送り」という意味で、Zは座標を表しており Z-100の位置まで1分間に100mm進む速さで切削してください という指令を出しています。 この様に「この製品を作って」などとアバウトな指令ではなく一つ一つの 動作や位置、速さを具体的に指令して機械を動かしています。 機械は指令した通りにしか動きません。 プログラム内の数値や指令を一つでも間違えてしまうと、機械は思った事と 全く違う動きをしてしまいます。 プログラム内容のチェックには、常に細心の注意を払う必要があります。 逆に言えば、自分の思う様に機械等を 自由自在に操れるので、様々な方案で機械加工を進めていく事が可能です。 同じ意味の指令内容でも、プログラムの書き方次第で効率の良い動きになることもあれば 無駄な動きのあるプログラムになってしまうことがあります。 上手くいけば効率の良い稼働に繋げる 事も出来るため、とてもやりがいのある作業となります。 近年、AI等の様々な技術が発展していますが、プログラミングも 今後のものづくりの未来に向けて必要不可欠な存在である為 工作機械やロボットのプログラマーになるという事は非常に夢のある仕事だと思います。

2023.09.04

機械加工

ロボットシステムインテグレータって何?

こんにちは! 岡山に本社を置く機械加工・ロボットシステムインテグレータの会社 茶屋テクノロジー株式会社です。 「ロボットシステムインテグレータ」の前に説明の前に まずは「システムインテグレータ」について説明しましょう! そのまま日本語にすると、「システムを統合する人」になります。 もう少し詳しく説明すると、例えば企業の抱えている課題の中には、既存の製品 サービス単体では解決できない、難易度の高い案件がしばしばあります。 そのようなお客様の課題を解決するには複数の製品サービスを組み合わせて 新たなシステムを開発することができる高い技術力が求められます。 「システムインテグレータ」とは、そのようなシステム開発能力を持った 企業や個人を指し「SIer」と略されることもあります。 様々な業種においてシステムインテグレータは活躍していますが単に 「システムインテグレータ」「SIer」と言った場合歴史的経緯からIT業界の システムインテグレータを意味することもあります。 弊社はその中でも、ロボットシステムインテグレータとして ロボットを使ったシステム、設備を提案、設計、構築し お客様の様々な課題を自動化、効率化して解決することを得意としています。 ロボットシステムインテグレータの仕事内容は多岐にわたり まずはお客様が何で困っているか、どの様に解決したいのかの ヒアリングから始まります。 ヒアリングは一般的な営業同様、コミュニケーション能力が求められる他 ロボット技術に詳しく、お客様の要望に対して的確な提案を行える 知識、能力が必要となります。 ヒアリングでお客様の要望をお聞きして、ある程度 方向性が固まったら、社内に持ち帰り、各部門での検討が行われます。 まずはロボットの選定から始まります。 一口にロボットと言っても、腕の長さ、扱える重量 使用環境などに合わせて、様々なロボットが市販されています。 その中からお客様の要望に合わせて、最適なロボットを 選定する必要があり、こちらもロボットの商品知識や 技術情報を常に仕入れておく必要があります。 次に、お客様の使用用途(搬送、研磨、切断、検査など)に 合わせて、ロボットアームの先端に取り付けるハンドの開発を行います。 こちらはお客様の要望次第で、全くジャンルの異なる 用途に適用するハンドの開発を求められることもあり 今までの知識、ノウハウが通用しないこともしばしばあります。 また、今まで人の手で使っていた器具をそのまま ロボットに取り付けても上手く動かない場合もあるので 完全に一からの部品選定、開発を行うこともあり 技術力、場合によっては全く新しいアイデアが求められる分野になります。 そして、ロボット、ハンド、各種センサ類を組み立て 電気、エア供給などを接続することで、ハードウェアが完成します。 ロボット及び付随システムは複雑な電気接続で構成されており 正しく動かすには電気系の知識が必要となります。 また、組み付けた部品が正確に動くようにするには機械系の知識も必要となります。 更に、最新のセンサ類を活用する場合はIT系の知識も求められる場合もあります。 最後に、ロボット設置、操作には法令で安全基準が定められており、そちらを 遵守するように設計しなければなりません。 幅広い知識、経験が必要となるため、それぞれの知識に特化した人で 複数人で作業する場合もあります。 ロボットシステムはハードウェアを作っただけでは動きません。 それを動かすソフトウェアも必要となります。 ソフトウェアは必要に応じて実際のロボットを動かして位置を記憶する ティーチングで行うこともあります。 また、事前に決めた所定の位置に動くようにプログラミングして ソフトウェアを作成する場合もあります。 弊社のソフトウェア作成の特徴として上記の他に ロボット用CAMソフトに当たるKCONGを導入しているのが大きな特徴になります。 このソフトは、対象製品の3DCADモデルを元にその表面に沿って 動くプログラムを自動で作成することができ、複雑な表面形状の 製品の研磨などもロボットで自在に行なえるようになります。 また、ロボットの動きをシミュレータで確認することができ 設計やプログラムに問題がないか、事前に検証することが できるようになっております。 扱いこなすにはロボットプログラミングの知識のほか CAD、CAMの知識も必要となりますが使いこなせば 複雑な動きを簡単に正確に行える為大幅な効率化のご提案や 今まで自動化が難しかった分野へのロボット導入も 弊社では行っております。 以上に挙げたようにロボットシステムインテグレータは 非常に広い分野の技術力が求められる職種です。 その分自動化、効率化で、大きな付加価値をお客様にご提供できる これからの成長が期待できる分野でもあります。 また、広い分野の技術を磨くことができる担当者自身の 成長にもつながる職種でもあります。 まだまだ立ち上がって日が浅い、新たな技術分野ということもあり 新しいアイデアの提案や積極的な挑戦を行える前向きな 人材の活躍が期待されています。  

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